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栃木県宇都宮市で着物と着付け教室、振袖を扱う呉服専門店|宇都宮伊澤屋です。着物のお手入れや和のお稽古事、洋装・フェアトレードなども取り扱っております。

宇都宮伊澤屋へお越しの際は、ご来店予約が便利です。おまたせせずにご対応いたします。

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ミルトス・ブログ

秋の装い〜香り編〜
2018年10月09日

 

いつも当店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

 

ここ栃木県宇都宮市では、先週先々週と幼稚園や小学校の運動会のピークでした。子供たちの元気な応援の声や歓声が聞こえると、微笑ましいですね。

栃木県庁前の銀杏並木も色付いてまいりました。銀杏並木に続く、とちの木並木(栃木県庁と宇都宮市役所をつなぐ真っ直ぐな道路で、「シンボルロード」と地元では呼ばれています)も、葉の色が秋の色に変わってきました。

 

秋は空気が凛と張りつめて、ことさら香りがよく薫ります。(音もよく響くような気がします)秋は香りを楽しむには最適な季節です。

1115日(木)~17日(土)の日程で、当店にて興味深いミニ・イベントがあります。

「香老舗 京都 松栄堂の練香で 帯揚げを焚き染める」という企画です。

帯揚げは、きものをお召しになられた際に、お身体の真ん中あたりになります。良い香りを纏う際、日本のような湿度が高い国では、ウエストから下に香りを纏うと良いと言われています。湿度の低い北ヨーロッパの国では、耳元や首筋にオードトワレをつける方も多いようですが、これを日本のような気候の国ですると香りがキツ過ぎます。

帯揚げの位置というのは、まさに香りを纏うのに最適な位置です。

 

香を焚き染める際、練香というものを使います。練香とは、粉末状の香木やスパイス、ハーブなどを蜂蜜やアラビアゴムなどで練って固形状(球状)にしたものです。日本では蜂蜜、梅肉、貝殻などの甲香(こうこう)などが使われ「薫物(たきもの)」とも呼ばれています。

香炉で炭で練香を温めて香りをくゆらせるので、煙が出ません。つまり、お召し物などにシミを作ることがありません。

 

「焚きしめ」は、古来、平安時代から貴族の作法として広まったものです。

「源氏物語」にも、物語の進行の大事な小道具として頻繁に登場します。部屋に香りをくゆらせる、衣服や髪の毛、手紙にまで焚きしめをほどこし、自己主張の重要な手段として使われています。

 

「源氏物語」第3帖「空蝉」には、衣に焚きしめた香りが光源氏の存在を空蝉に告げる場面が描かれています。

空蝉は、元々上流貴族の娘で、宮仕えを希望していたにもかかわらず、父が早く死んでしまって、止むを得ず、伊予介(現在の愛媛の地方官僚)の男の元へ後妻として嫁ぐことになります。

そうした境遇を恥じて、夫への愛情も薄かった空蝉が、偶然にも紀伊守邸で光源氏と出会って心を寄せてしまいます。

ですが、空蝉は不釣り合いな身分であることを自覚して、光源氏を遠ざけてしまいます。

物語は、まず源氏が再度、紀伊守邸に赴くと、空蝉が先妻の娘、義理の娘である軒端萩と碁を打っていました。その様子を眺める光源氏が詳細に描写されています。侍女たちが寝静まった後、光源氏は空蝉が寝る寝室へと向かいます。

ですが、そこには既にぐっすりと寝入っていた軒端萩も一緒でした。

空蝉の方は、光源氏のことを思い出して、なかなか眠りつけない日々を過ごしていた様子でした。そこに、衣服に焚きしめた香りで光源氏が部屋に入ってきたことに気付きます。

空蝉はそっと部屋を抜け出してしまいます。

暗闇の中で光源氏は、自分の恋人と、ぐっすり寝入っていた軒端萩とを間違えたことに気がつきますが、後の祭りでした。

光源氏は、上手くその場を取り繕い、空蝉が部屋に残した一枚の薄衣だけを持って、家に帰ることとなります。

後日、この空蝉が残した薄衣をめぐって、物語は手紙と香りのやりとりになります。

 

光源氏の手紙は、

「空蝉の 身をかへてける 木のもとに なほ人がらの なつかしきかな」

(薄衣に空蝉の移り香を感じて、身近なところにおいていたのですが)

 

これに対して空蝉の返事は

「空蝉の 羽に置く露の 木隠れて 忍び忍びに 濡るる袖かな」

(光源氏に持ち帰られた薄衣が気掛かりです。着古して汗ばんだ着物で恥ずかしい)

空蝉は後撰和歌集の「伊勢をの海人のしほなれてや」という歌を引用しています。

 

空蝉の身分は、光源氏の比べれば、それほどでもなく、光源氏のような焚きしめの香は到底使えたわけではなく、しかも普段着ですから、そこまで良い香りを焚きしめていたわけでもなかったことでしょう。

それでも、光源氏にとっては大事な恋人の残り香であり、大切なもの。

それに対して、教養のある空蝉にとっては、光源氏の気持ちは察しても、とてもどうこうなるような関係ではない、と悲しい気持ちになってしまう。そんな情景が第3 「空蝉」には描かれています。

 

このように、平安時代には大切なエチケットであった「焚きしめ」をぜひ、当店にて体験なさって見てください。

 

「香老舗 京都 松栄堂の練香を帯揚げに焚きしめます」

1115日(木)~17日(土)

10:30~16:00

1500円。 お一人様3点まで。

帯揚げの他、スカーフ、ストール、ネクタイでもOKです。

ご予約くださいませ。0120-39-1308 宇都宮伊澤屋

 

さて、秋といえば芸術の秋、当店が協賛いたします「Jean=Michel Veillon & Yvon Riou Japan Tour」のご案内です。

 

フランス ブルターニュからケルト音楽の世界最高峰デュオが初来日!

1980年代にケルト伝統音楽復興の大きなムーヴメントを担い、今も時代の最先端を走り続けるフルート奏者ジャン=ミシェル・ヴェイヨンが初来日します。

19世紀スタイルの木製フルート(アイリッシュ・フルート)とギターのみによるシンプルな構成で聴く二人の音楽は、繊細でダイナミック、光と影に富んでおり、東洋の水墨画や書芸の世界を思わせる高い精神性を湛えています。おそらく国内では最初にして最後となるこのツアーは、まさに必聴です。

 

119日(金)@悠日(宇都宮市吉野町1-7-10

18:30開場  19:00開演  21:00終演

チケット 前売り3000円  当日3500

ご予約 celtnofue.com/about/jmv.html (ケルトの笛屋さん)

090-8859-3090 (メツサライネンノーツ)

metusarainen@gmail.com (メツサライネンノーツ)

ぜひ、世界一の音をお客様の耳でお確かめください。
宇都宮伊澤屋facebook イベントページ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
https://www.facebook.om/events/1873177886103577/?ti=as

 これから秋のイベントが、街のあちこちで開催されますが、ぜひ、きものをお召しになってお出かけください。

秋のコーディネイトにぴったりな小物も取り揃えておりますので、当店でご覧くださいませ。

秋の朝と夜の冷え込みは、案外、風邪を引き起こしたりしますので、油断大敵です。暖かくしてお過ごしくださいませ。

タグ: 香老舗松栄堂    焚きしめ  薫もの  香炉  移り香  残り香  源氏物語  空蝉  光源氏  ジャン=ミシェル・ヴェイヨン  悠日  宇都宮市  栃木県