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栃木県宇都宮市で着物と着付け教室、振袖を扱う呉服専門店|宇都宮伊澤屋です。着物のお手入れや和のお稽古事、洋装・フェアトレードなども取り扱っております。

宇都宮伊澤屋へお越しの際は、ご来店予約が便利です。おまたせせずにご対応いたします。

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ミルトス・ブログ

麻の来た道
2019年04月29日

麻の来た道

 

いつも当店をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。

 

4月は急激に寒くなったり暑くなったりと、寒暖差激しく、その気温差に振り回されました。

コタツを仕舞うつもりが雪が降り、やっと暖かくなったと仕舞おうとすると寒くなり、いつまで経っても仕舞えません。

そう言いながらも、夜に星に逢うために外を歩けば、夜8時頃には獅子座が南の空高くに見えるようになって来ました。

やっぱり確かに春から初夏へと時は移ろっているのです。

 

「嘆く心は曇れども、曇らぬ空の星月夜、あらまほしやという星も、年に一度の契りぞや。例えば雲の上とても、天の河原を隔てなば、人の辛さに変らじな。糸かけ星のほそぼそと、付き添い星や妬むらん」

江戸中期の浄瑠璃作家で、竹本座の近松門左衛門に対抗した紀海音(きのかいおん)が「道行星の数」に書いた「星づくしのうた」です。江戸時代、人は獅子座を糸繰車(いとくりぐるま)に見立てて、「糸かけ星」と呼びました。

その獅子座とは、裏返しのクエスチョンマークの星並びが目印の、一等星のレグルスを含む黄道第五番目の星座です。

古代バビロニアでは犬の姿として見られて「ウル・グルラ」と呼ばれました。獅子の姿に見られるようになったのは後期バビロニアからだだそうです。ギリシア神話によると、この獅子はネメアの森に住む人食いライオンで、怪力ヘラクレスに退治されたといいます。

獅子座の頭部を形づくる六つの星列を「獅子の大鎌」と呼びます。クエスチョンマークを裏返したような形をしており、草刈りの鎌のように見えるところからそう呼ばれています。獅子の大鎌を英語でライオンズ シックルと呼びます。ザ シックルといえば、獅子座を指すそうです。

獅子座のα(アルファ)星に付けられた固有名はレグルスで「、小さい王」という意味があります。ラテン語のレックス(王)からきた言葉で、地動説で有名なコペルニクスが名付けました。

レグルスは黄道上に位置するただ一つの一等星で、古くはギリシアで「バシリコス」(王者らしきもの)と呼ばれ、のちにアラビア名で「アル・マリキ」(王の星)と呼ばれるようになりました。また別名を、その位置から「コル・レオニス」(獅子の心臓)とも呼ばれています。

 

さて、その獅子座が夜8時頃に南の空高く上るようになりますと、麻のきものなど、夏物をお手入れする時期となります。

麻のきもの、麻の肌襦袢のお手入れをして、単のきものを引き出しの奥から手前に出してきます。

夏物は汗をかいた後に放っておくとシミができます。特に襟元、袖口、それから帯の下に当たる胴回りです。

お召しになる前に、必ず点検していただきたいチェックポイントです。

 

この時期はまだ併せのきものを着ることになっていますが、このような異常気象が続く中、すでに肌襦袢は麻のものをお召しになっている方もいらっしゃれば、単をお召しになっていらっしゃる方もいます。絽や紗のきものを着る時期がどんどん早くなっている気がします。

夏物の素地となっている麻。麻の繊維が中空になっているおかげで、通気性が良く、夏場にはもってこいの素材です。

 

麻という植物自体は、人類史上最古の耕作植物であるにも拘らず、あまり評判が良くない植物です。

アサ、大麻、マリファナと呼び方も様々ですが、世界で最も広く利用されている脱法ドラッグであるからです。

すでに古代ギリシアの歴史家のへロトドスが、その著書「歴史」の中に、当時、黒海周辺を統治していた遊牧民族スキタイ人が、灼熱した石の上にアサの種子を盛った皿をのせ、そこにかがみこんでいる様子を目撃したことを書いています。

アサに含まれるデルタ–9-テトラヒドロカンナビノールという化学物質が、脳内にドーパミンを分泌させ気分を高揚させます。

デルタ-テトラヒドロカンナビノールは通常、THCと略して呼ばれています。このTHCの薬効を利用して、数千年も前からアサは鎮痛薬として使われていました。近代に入ってからは、医師が癌治療や鬱病、アルツハイマー病などの疾患の治療に用いてきました。

 

繊維としてのアサは、中国では4500年前からアサを布地として加工して衣服にしていたようです。加工についての最初の記録は2500年前のものですが、中国ではアサの栽培を継続して、新世紀には世界最大の生産国となりました。中国に次いで東ヨーロッパ諸国、ルーマニア、ウクライナ、ハンガリー、さらに南下してスペイン、フランス、そしてチリへと生産地域が拡大して行きます。

 

アサの原産国がロシアの南東部であったこともあって、17世紀から18世紀には、このアサでロシアの船具商人たちが繁盛しました。当時、ロシアは船舶で利用するアサ生産の大半を支配していました。アメリカ艦船コンスティチューションは1812年の米英戦争でイギリス海軍の砲撃に耐え、「オールド・アイアンサイド」(鉄のように頼れる船腹)の愛称で知られていますが、このようなフリゲート戦艦(海軍の木造快速帆船)一隻でロープや帆に、約60トンのアサが必要でした。

 

最初のリーヴァイス・ジーンズもアサでした。

アメリカの独立宣言が採択されてから100年後、ネヴァタ州で仕立て屋を生業としていたジェイコブ・デイヴィスは、仕事の同僚レーブ・シュトラウスと共に綾織地のズボン、つまり労働者のズボンであったジーンズ(ジェノアの訛り)を銅のリベットで補強する技術の特許を取得しました。レーブは後に名前をリーヴァイと変えます。バイエルンからの移民で1853年にカリフォルニアのゴールドラッシュに便乗しようとニューヨークからサンフランシスコに移ります。リーヴァイは幌馬車の幌や、テントに使うアサ製帆布生地の商売をしていましたが、その生地で金鉱掘りたちのズボンを縫製することにしました。最初のリーヴァイス・ジーンズはアサ製でしたが、労働者たちからアサでは股が擦れるという苦情が出て、リーヴァイはフランスのニームから輸入したセルジュ・ド・ニーム(つまりデニム)を使用するようになります。

 

評判は芳しくなくとも、事実上、人類の歴史に深く関わってき麻。

涼しく颯爽と夏物のきものとしてお召しになっていただくためにも、繰り返すようですがお手入れを是非なさってくださいませ。

当店でも、夏物のお手入れを承っておりますので、是非ご用命くださいませ。

 

さて、当店のこれからのイベントのご紹介です。

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510日(金)・11日(土) 染織逸品会「織紋意匠 鈴木展」

 

明治四十年の創業以来百年余り、京都・大徳寺の門前に店を構え高い美意識と確かな技術を持って本物を作り続けてきた織紋意匠 鈴木。

他に類を見ない立体感を表現する「唐織」を主とし帯・お袈裟・能衣装など、こだわり続けるものづくりは優れた職人に支えられ、代々受け継がれてきました。日本を代表する織物の産地として名高い「西陣」のちで本物だけを作り続けています。

 

 

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428日(日)~56日(月)まで、伊澤屋店舗改装のため、お休みをいただきます。

 

 

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以前に、お客様には郵送でご案内申し上げました「フィンランド教育講演会」の日程と会場が変更になりました。

 

「フィンランド教育講演会」 512日(日)13:30~

会場: ひのおか 森のナーサリー 宇都宮市竹林町804-2

お申込み先: 080-5055-0401(スズキ)

Facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/1070413179809531/

 

 

世界最高の教育水準を保つフィンランド

現在、世界最高の教育水準を保っているフィンランドの教育事情の最新情報をお伝えする講演会を開催します。

昨年915日・16日の日程で聖心女子大学にて開催された「未来の先生展」https:/www.facebook.comsensei.mirai/

そこで定員を大きく上回る参加者を前に、「フィンランド教育」の講義を担当されたcokowill代表の寒川英里先生( https://www.facebook.com/cokowill2016/  )が最新のフィンランド教育事情を伝えてくださいます。

フィンランドのお菓子と北欧の紅茶をご用意します。フィンランド音楽のミニ・コンサート付きです。

ぜひ、ご来場くださいませ。

 

講師の寒川英里先生のプロフィールです。

cokowill代表、Diagonal Run Tokyo コミュニティマネージャー

1981年 神奈川生まれ。青山学院大学在学中に学生の就職活動支援団体を立ち上げ、「『働く』と『生きる』をわけない」をテーマに掲げ活動を行う。卒業後、リクルートグループに入社。出産後、数回の転職を経験する中で、営業、企画、人事などの仕事を経て20164月に独立。自分らしく働き、自分らしく生きることへの【ふみだす一歩をともにする】ことを自らの仕事とし、cokowillという活動名で「しごと」をテーマとしたワークショップ、「働き方」イベント、「教育」をテーマとしたイベントなどの活動を行なう。 Edtechベンチャーの人事、パーソナルコーチング、人事採用コンサルタント、講師、ファシリテーター、コミュニティマネージャーなどの仕事も行うパラレルワーカー。

 

そして講演の前のアイスブレイクとしてミニ・コンサートをご用意して居ります。

ギタリストの小川倫生氏とヴァイオリニストの櫛谷結実枝氏がフィンランド音楽を演奏してくださいます。

 

小川倫生氏プロフィール

90年代から音楽活動を開始し、現在までに6タイトルのアコースティック・ギター・ソロのアルバムを発表。

ギターの可能性を広げるテクニックとオリジナリティー溢れる楽曲が注目を集めている。

その音楽はジャズ、ロック、現代音楽、民族音楽、アンビエントと幅広いルーツを持つ。

映像的でイマジネーションを掻き立てるギタースタイルは唯一無二

 

 

櫛谷結実枝氏プロフィール

滋賀県出身。栃木県宇都宮市在住。

幼少の頃よりクラシックバイオリンに親しみ、アマチュアオーケストラなどで演奏。

過去にエレキバイオリンを使用して、ロックバンドやインストユニットなどで活動する。

様々な音楽に影響を受け、現在は北欧の伝統音楽、バロック音楽、教会音楽などを好み、アコースティックユニットFelonなどで活動している。

https://ameblo.jp/yumie-kushitani

 

小川倫生氏と櫛谷結実枝氏のお二人による演奏動画はこちらです。

 

 

 

暑くなったり寒くなったりと気温の振り幅が大きい時期ですが、お身体をお大事になさって、今週もお健やかにお過ごしくださいませ。

 

タグ: 栃木県  宇都宮市  宇都宮伊澤屋  織紋意匠鈴木  寒川英里  小川倫生  櫛谷結実枝  フィンランド教育講演会